金沢 稔教授(1964年8月?1973年10月)
和歌山県立医科大学泌尿器科学講座の歴史は1945年(昭和20年)に始まります。当初は、皮膚泌尿器科学講座(西村長応教授)として発足し、1964年(昭和39年)8月に皮膚科泌尿器科学講座から分離独立し、金沢 稔先生(1943年[昭和18年]東京慈恵会医科大学卒、故人)が初代教授に就任されました。金沢教授は前立腺肥大症および職業性膀胱癌の研究をライフワークとし、多くの実績を挙げられましたが、1973年(昭和48年)10月7日に54歳の若さで急逝されました。
大川順正教授(1975年12月?1999年3月)
975年(昭和50年)12月には大川順正先生(1958年[昭和33年]大阪大学卒、現和歌山県立医科大学名誉教授)が2代目教授に就任されました。大川教授時代の2大研究テーマは、尿路結石症と膀胱癌でした。尿路結石症では、米糠(rice-bran)療法や尿中結晶形成過程の研究により、1985年、1986年、1987年(昭和60年、61年、63年)に教室員が日本泌尿器科学会坂口賞を受賞し、全国に盛名を馳せることになりました。また、1990年(平成2年)には大川教授らが中心となって日本尿路結石症学会の前身である日本尿路結石症研究会を設立し、同年9月7日に記念すべき第1回学術集会を白浜町で開催されました。
新家俊明教授(1999年7月?2007年3月)
1999年(平成11年)年7月には新家俊明先生(1970年[昭和45年]和歌山県立医科大学卒、故人)が3代目教授に就任されました。新家教授は膀胱癌の研究をライフワークとし、職業性膀胱癌やBCG膀胱内注入療法で世界的な研究成果をあげられました。また、2000年(平成12年)に教室の関連施設に日本赤十字社和歌山医療センターも加えて、泌尿器科紀の国フォーラムを設立し、同年2月16日に第1回学術集会を開催されました。
原 勲教授(2007年5月?2025年3月)
2007年(平成19年)5月には原 勲(1985年[昭和60年]神戸大学卒、現和歌山県立医科大学名誉教授)が4代目教授に就任されました。原教授の就任を契機として、和歌山県立医科大学泌尿器科学講座同門会として紀水会が発足し、同年9月15日に第1回総会が開催されました。原教授は腹腔鏡下手術やロボット支援を先進的に導入し、県内泌尿器科医療の向上に貢献されました。泌尿器悪性腫瘍や尿路結石症をテーマとした研究においては、19編の学位論文をはじめ多くの論文を発表するとともに、教室員が日本泌尿器科学会坂口賞(第78回)、日本泌尿器内視鏡?ロボティクス学会総会賞(第17回?第18回?第23回)、日本尿路結石症学会奨励賞(第3回?第12回?第23回)?学会賞(第9回)、日本泌尿器科学会関西地方会ベストプレゼンテーション賞(第198回?第225回?第233回?第238回?第251回)を受賞しました。